妻が肺がんになって気づいた、「記録すること(ジャーナリング)」がもたらす大きな力

Self2Drive Story|歩んで来た道

日頃から習慣にしている「ジャーナリング(記録すること)」。

実は、家内が肺がんと診断されてから、この習慣が私たちの闘病生活において、なくてはならない強力な支えになっています。

私は家内のがんが分かってから、彼女の日々の状態や変化を、どんなに些細なことであってもずっとノートに書き留め、記録し続けています。

実際にこの「記録の習慣」を続けていて、本当に良かったと感じる理由を、私の実感とともに残しておきたいと思います。

1. 医師への正確な説明と、的確な治療方針の決定に役立つ

病院で先生から「その症状は、いつ頃から出始めましたか?」と聞かれることはとても多いです。

人間の記憶は曖昧なもので、緊迫した状況のなかでは「いつだったか、なんとなく数日前から……」と濁ってしまいがちです。

しかし、些細なことでも毎日記録していると、「〇月〇日の何時頃からこういう症状が出て、このような経緯をたどって今の状態になりました」と、客観的なタイムラインを明確に説明することができます。

これが、先生方が現状を正しく把握し、次の治療方針をスピーディーかつ的確に決めるための大いなるヒントになっています。

2. 「小さな変化」にいち早く気づけるようになる

「毎日記録しよう」という意識を持って家内と接していると、ただなんとなく過ごしているときよりも、彼女のほんの少しの体調の変化や、言葉のニュアンスの違いに敏感になります。

「いつもと少しだけ様子が違うな」「ちょっとここが気になるな」という、見過ごしてしまいそうな初期のサインに、私自身がいち早く気づくことができるのです。

3. 主治医との連携がスムーズになり、早期の対処が可能になる

ほんの小さな変化であっても、少しでも気になることがあれば、私はすぐに主治医の先生に伝えるようにしています。

そのおかげで、先生からも「それは今は気にしなくても大丈夫な変化ですよ」とか、「それなら念のために、少し早めに細かい検査をしておきましょう」といった判断をすぐに仰ぐことができます。

もし、それが何かの前兆(気になる変化)であった場合でも、すぐに追加の検査を行い、先手先手で早めに対処してもらえるという安心感があります。

主治医の先生にとっても、大切な「道標」に

診察室での短い時間だけでは、患者の「日常のグラデーション」をすべて伝えることは不可能です。

日頃の様子が克明に書かれた記録があることは、主治医の先生にとっても「病気が日々どのように推移しているか」を判断するための、非常に貴重なデータ(道標)になっていると感じます。

大切な家族が病気に直面したとき、私たち家族にできることは限られているかもしれません。

しかし、目の前で起きている事実をありのままに、丁寧に記録し続けること。それは、患者本人の体を守り、医療チームと固い信頼関係でつながるための、家族だからこそできる立派な「治療への参加」なのだと、今強く実感しています。

これからも、目の前の愛おしい日常と、小さな変化をしっかりとノートに書き留めながら、1日1日を大切に歩んでいきたいと思います。